【デザイン学】

美しさの原理

画像処理から発展。「美しさの原理」を探る

浅野晃先生

 

関西大学

総合情報学部 総合情報学科(総合情報学研究科 知識情報学専攻)

 

 出会いの一冊

犯罪調書

井上ひさし(集英社文庫)

古今東西、様々な時代の犯罪をとりあげ、その経緯をおもしろいストーリー仕立てにして解説したもの。いつの時代にも不変の「人間の行い」を知ることができます。

 


 こんな研究で世界を変えよう!

画像処理から発展。「美しさの原理」を探る

美しいと感じるものはたくさんあるが

「美しいとはどういうことか」という質問に、科学は答えてくれるでしょうか。世の中に、多数の人が美しいと感じるものはたくさんあります。そして、「自動車のボディをつくる美しい曲線をデザインする方法」というように、個別の問題に答える経験則や理論もたくさんあります。この研究は、個別の問題を超えた「美しさの原理」を探ろうとしています。

 

黒い服や高級な布に構造がある

 

私は、もとは画像処理を研究していました。その研究の中で、礼服の黒い布について「より深い黒に見える布」「より高級そうに見える布」を探求しました。布は糸を織ってできていますが、織りは縦横の模様として画像処理で分析することができます。研究の結果、模様を「ある図形が、ある構造にしたがって繰り返し並んでいる」ととらえ、その構造が黒さや高級さに関係することがわかりました。

 

美しい筆跡には美しい構造

 

今の研究では、美しい曲線や美しい動作には「構造」があると考えています。ここで、「定規でひいた直線」「フリーハンドで適当に描いた線」を想像してみてください。フリーハンドで描く線は不安定で、なかなか美しい曲線は引けません。一方、定規で引いた線は「直線」という単純な構造を持っていますが、あまり面白味はありません。

 

一方、「書家が筆で書いた美しい筆跡」は、その中間にあり、直線のように単純ではなく、かつ安定した力強い軌跡をたどっています。この「中間」に、美しさを表す「構造」があると考えて、研究を進めています。

 

大学のゼミ室。ここでゼミや実験を行っています。奥の黒い箱は簡易暗室で、ここで実験することもあります。今年は、ゼミのときは机を廊下に出して座席の間隔をあけ、私自身は簡易暗室に半分入って話すといった工夫をしています(2020年10月)。(右)図形の構造と色彩配置に関する実験風景。共同研究相手の研究室で院生に協力してもらっているようすです(2017年1月)。
大学のゼミ室。ここでゼミや実験を行っています。奥の黒い箱は簡易暗室で、ここで実験することもあります。今年は、ゼミのときは机を廊下に出して座席の間隔をあけ、私自身は簡易暗室に半分入って話すといった工夫をしています(2020年10月)。(右)図形の構造と色彩配置に関する実験風景。共同研究相手の研究室で院生に協力してもらっているようすです(2017年1月)。
 先生の専門テーマ<科研費のテーマ>を覗いてみると

「時間動的デザインと普遍的な感性の研究」

詳しくはこちら

 

 どこで学べる?

「デザイン学」学べる大学・研究者はこちら(※みらいぶっくへ)

 

その領域カテゴリーはこちら↓

6.家政・生活・デザイン」の「20.プロダクトデザイン、デザイン学」

 


 先生の授業では

講義「統計学」の初回では

 

英国BBC(イギリス公共放送)の「世界でもっとも優秀な大学生を輩出している国は」というウェブ記事で、1位が日本とされていることを紹介します。その根拠をOECDや文部科学省の資料に求めて内容を説明し、現在ではこれらの一次資料がパソコンとネットだけで入手できることと、英語が読めれば、それらの一次資料にあたって、BBCの記事が言っていることの当否を知ることができることを説明します。

 

 もっと先生の研究・研究室を見てみよう
2019年11月に開かれた第5回アジア色彩学会(ACA2019)で発表しているところです。(学会の公式撮影によるものです)
2019年11月に開かれた第5回アジア色彩学会(ACA2019)で発表しているところです。(学会の公式撮影によるものです)
 先輩にはこんな人がいる ~就職

◆学んだことはどう生きる?

 

卒業研究と進路には関連はありません。私は、学生が卒業研究を経験して、「問題を見つける→仮説を立てる→仮説を検証する」という科学のプロセスを身につけることを、卒業研究の目的としています。

 

 先生の学部・学科は?

総合情報学部は、文理融合型学部と言われていますが、「6割文系・4割理系」の学部です。特色として、「文系の学部としては実習科目が多い」ことがあげられます。プログラミング等だけでなく、社会科学系の科目にも実習があり、コンピュータを使って手を動かして学ぶことができます。

 

 先生に一問一答

Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ?

数学。若い時に「学問の足腰」を鍛えた人は、その後も発展性があります。

 

Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 

フィンランド。2度留学して、事情や言語をある程度知っているので。

 

Q3.大学時代の部活・サークルは?

交響楽団でコントラバスを弾いていました。今も弾いています。大学に入ったとき、「これが楽器を始める最後のチャンス」と思って、思い切って入部して良かったと思います。

 

Q4.研究以外で楽しいことは?

コントラバスの演奏、書道のお稽古