セデック・バレ（映画）

ウェイ・ダーション（監督）

日本の植民地支配に対して台湾の先住民セデック族が武装蜂起をした霧社事件に取材した映画。目を背けたくなる場面もあります。映画は事実と違う部分があるかもしれません。でも、映画を通して、とにかくこういう事件があったということを知っておいてほしいです。

そもそも平和とは何か、公正とは何かを考えるのが哲学です。哲学は、平和を追求する運動に疑問を呈することだってありえます。でもそうした疑問を呈することで平和への追求がより深まるのだとすれば、それは貢献と言えるかもしれません。

植民地出身で宗主国の日本で哲学を学んだ若者たち、日本による植民地化に抵抗した思想家たち、日本の植民地支配を批判できなかった日本の哲学者たち、彼らの屈折や苦渋を知ることは、平和や公正について考え直すきっかけになるでしょう。 

上原麻有子

京都大学　文学部　思想文化学専攻　日本哲学史専修／文学研究科　思想文化学専攻

【近代以降の日本の哲学、とりわけ京都学派の哲学の再検討】外国語からの視点を採り入れて日本の哲学を検討しなおし、外国語でも日本哲学を発信しています。

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林永強

獨協大学　国際教養学部　言語文化学科

【京都学派】日本哲学を世界に対して開かれたものとして再構築しようとし、世界中の研究者とネットワークを築いています。

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石井剛

東京大学　教養学部／総合文化研究科　地域文化研究専攻　

【近代中国の思想家】近代中国の問題を扱うにあたって、中国古典の世界にも遡り、現代中国の問題にも関心を寄せつつ、問いを切り開いています。

■石井先生のページ

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日本とアジア

竹内好（ちくま学芸文庫）

近代化といっても様々な仕方があるということを、とりわけ日本と中国の違いから教えてくれます。また、魯迅の読解などを通して、もがき苦しむことの大切さも教えてくれます。現在の研究を行う上での一つの指針になっている本です。

放送禁止歌

森達也（知恵の森文庫）

部落差別の問題に関心を持ってこの本を手に取りました。クレームがあったから放送しないというより、クレームがありそうだから放送しないという自主規制によるところが大きいということに大変ショックを受けました。タブーにきちんと立ち向かう著者の姿勢にも感銘を受けます。

ハナ　奇跡の46日間（映画）

ムン・ヒョンソン（監督）

1991年千葉で開催された世界卓球選手権に朝鮮半島南北統一チーム「コリア」で参加し、女子団体が優勝した実話に基づいた映画。無理だと思われていたことを実現させる努力と、努力の結果として生まれる気持ちの変化に感動します。